ご挨拶
みなさん、こんにちは! 天宮さくらです。
この度、名興文庫から『ピンク&シュガー』を出版する運びとなりましたので、お知らせ致します。
本書は『シロクマの背に乗る』をお読みくださった方にはご存知のタイトルになります。
『ピンク&シュガー』は元々、シロクマ書庫から出版予定だった作品です。
それがレーベル解散となり、本作はお蔵入りするところでした。
しかし運よくご縁がありまして、名興文庫からの出版となりました。
*名興文庫での紹介ページはこちら
こうして世間にお届けできるようになり、とても嬉しく思っています。
関係者の皆様、本当にありがとうございます。
執筆までの流れ
本作品は2022年3月の半ばから執筆を開始していました。
シロクマ書庫は年に四回、電子書籍を刊行するスケジュールを組んでいました。
本作品を秋に出版するべく、筆を取ったのです。
初め、女子高生の話を書く予定でした。
熊さんこと雑食ベアーさんからは「毒のある作品を読みたい」という要望を聞いていたので、それに応える作品を、と考えてのことです。
シロクマ書庫では出版第一弾で『水の中に沈む』を出していました。
そちらは恋愛に特化した内容となっています。
(『水の中に沈む』は現時点、レーベルが解散したため、入手できなくなっています)
なら、次に出版する話は恋愛から少し離れたものにしよう。
いろいろと試行錯誤しながらできあがったプロットを元に執筆を開始した三月となりました。
作業中のBGM
作業中、作品の世界観をブレさせないためにBGMを決めます。
今回はプロットを組み立てた段階でBGMを決めておらず、後から探しました。
初めに作ったプロットは、女子高生の混沌とした内情を描いたものでした。
それに合うようなBGMはどこかにないだろうかと探し、気に入った曲を見つけました。
横山 克さんの『最愛』。
ここに収録されている「Whispers of the Past」に、心奪われました。
横山 克さんの作る音楽が好きです。
女性の繊細な心情を、綺麗でありながら暗さも含んだ状態で音楽にまとめている。
彼の作った曲を聞いていると、感情が溢れ出していくような気持ちになります。
残念ながらドラマは見たことがありません。
でも、曲調でどんな内容なのか、察することができました。
ああ、これは小説にすべきだな。
そう感じたらもう、止まりません。
作っていたプロットを速攻ゴミ箱に破棄し、新しく作り始めました。
女性の深い愛。
謎。
キラキラと輝く昔の光。
笑い合ったあの頃。
それとは対照的な今。
曲から受け取ったイメージを元に、一人の女性を浮かび上がらせる。
そうして『ピンク&シュガー』のプロットは完成しました。
そこに女子高生の姿は……読んでいただけたら。
進まぬ執筆作業
実際に執筆を開始したのは三月末、くらいだったでしょうか。
秋出版に間に合わせるには夏までに小説を完成させておかなくてはならない。
その焦りと、シロクマ書庫から『水の中に沈む』の出版が開始されたことで、とにかく気持ちが落ち着きませんでした。
(『水の中に沈む』は2022年4月1日出版でした)
キャラクター設定が練られていないまま、書き進めました。
とりあえず形にしなければ、という強い動機で、なんとかラスト手前まで執筆を終わらせたのは四月の半ば。全部で五万字程度でした。
ここで、全部破棄しました。
お金をいただいて提供するにはあまりにも不誠実な出来栄えだったのです。
シロクマ書庫の出版物は、私からすると、料金設定が高め。
金額に見合うだけの価値ある小説を執筆するのが誠実であり、それがプロ意識のある作家であると考えています。
(この辺りの考えは『シロクマの背に乗る』に記載しています)
いい加減なものを提供してはならない。
この覚悟を無くしたら、私は作家として胸を張れなくなる。
その危機感があったので、せっかく書いた五万字でしたが躊躇なく捨てました。
ですが、悪いことばかりでもなかったです。
五万字書いて、プロット作成段階で何が欠けていたのかが明確になりました。
四月半ばを過ぎていて焦りは募る一方でしたが、もう一度じっくり作品に向き合うことにしました。
そしてシロクマ書庫解散
しかし、今度はシロクマ書庫内が不穏になってきました。
私としては気持ちが離れつつあったのですが、秋出版をすると約束していた。
逃げ出すわけにはいきません。
(このあたりのことは『シロクマの背に乗る』に記載しています)
私にできることは執筆だけ。
周囲の雑音を気にしつつ、六月頭に『ピンク&シュガー』の第二稿を完成させました。
(第二稿なのは、初稿が完成した後、改稿してから完成としたからです)
シロクマ書庫の上層部に原稿を読んでもらい、出版の許可が出たのが六月末頃。
さあ、ここから出版に向けて動こう、というタイミングでシロクマ書庫が解散となりました。
解散騒動で大変でした。
なのでその間、『ピンク&シュガー』は宙ぶらりん状態になります。
どうにかしなければ、とは思っていました。
でも、それどころじゃない。
気持ちがささくれ立って、とてもじゃないけど作業に集中できませんでした。
ありがたいことに、その時連絡を密にしていたメンバーと出版社立ち上げの方向で話が纏まりました。
『ピンク&シュガー』を名興文庫から出版させていただこう。
メンバーから同意を得られ、今回の出版に繋がりました。
『ピンク&シュガー』
『ピンク&シュガー』は愛を貫いた女性の物語です。
物語は主人公 佐藤名梨が受け取った一本の電話から始まります。
大事な人、そして最愛の人である友人 若木桃世の死。
それを知った名梨は動揺しながらも、桃世の葬儀に急ぎます。
「どうして桃世は死んでしまったのだろうか」
本書は一見、ミステリー仕立てになっています。
ですがジャンルとしては恋愛小説。
なので、「第一章」を読んでいただければ話の構造がわかるようになっています。
名探偵になったつもりで読んでいただけたら、楽しいかもしれません(笑)
(でも、そんなに難しい内容ではないので、お手柔らかにお願いします(汗))
出版は令和5年1月1日。
お正月の時間潰しにでも本書を使っていただけたら、望外の喜びです。
どうか皆様に愛が届きますように。
追記:動画を作成しました!
動画を作成したので、興味ある方はどうぞ!
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