前々からずっと読もうと思っていた一冊!
今回紹介するのは、湯本香樹実さんの『夏の庭 The Friends』です。
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小学六年生の主人公・木山、山下、河辺の三人は仲良しトリオ。
ある日、山下がおばあさんの葬式に参列したと聞いた河辺は、死体を見てみたいと言います。
そこで彼らは、死期が近いと噂される老人を「観察」し始めるのですが──。
小学六年生が人の死を見たい、という時点でびっくりな物語です!(汗)
だから「気になるけど、こ、怖い物語なのでは?!」と警戒していました(笑)
けれど、怖い話なんかではなかったです。
三人の成長が丁寧に描かれた、素敵な物語。
「観察」から「交流」に変化していく過程は、古き良き日本を垣間見るよう。
だからこそ、最後が胸に沁みます。
愛を貫いた女性の物語『ピンク&シュガー』
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小学六年生が主人公。学ぶのは、生き方。
人との関わり、親切とお節介、人の死。
子供に読んでもらいたい、と思いつつも、大人にも読んでほしい一冊です。
この作品に描かれたような、子供と老人の交流。
今では実現できない気がします。
それが社会の貧困であり、心の磨耗に繋がっているのかな、と。
人の死を見てみたい、という動機で始めた「観察」が次第に変化していく様は、ほっこりします。
だからこそ、最後がつらかったです。
でも、悲しいだけじゃない。
今の世の中はなんでも記号化しすぎている気がします。
それは人の死も同じかと。
真正面から物事に向き合う心が大事なのだと思います。
気になる方は是非ー!
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