【読書記録】『スノウ・ティアーズ』

読書記録

今回紹介するのは、ティーンズ向けの小説を読もうと探していた時に出会った一冊!
梨屋アリエさんの『スノウ・ティアーズ』です。

中高生向けの小説だー! と思ったら、予想外でした!
ティーンズの枠に収めておくのがもったいない、恋愛小説でした!

主人公の君枝は不思議体質で、しょっちゅう不思議な現象が起きます。
第三者には聞こえない声が聞こえたり、ソフトクリームの置き物から美味しい味がしたり、トルソーが脱走したり……。
そんな不思議体質を、周囲の人は理解できません。
けれどたった一人、幼馴染の陸だけは理解してくれて──。

物語は君枝の視点から見える世界で描かれます。
なんで? どうして? と君枝が混乱する気持ちに同調!
でも一方で「もしかしてこれって、こういうことなのかな?」と深読みしてしまいます。

不安定な世界観で生きている君枝。そんな彼女の幼馴染の陸。
二人はお互いなんでも言い合える関係のようでありながら、その実、大事なことは伝えられていません。
それが孤独を深めてしまいます。

君枝が少しずつ現実と折り合いをつけながら生きている様は、大人が読むと心がギュッと締め付けられる。そんな気がします。

愛を貫いた女性の物語『ピンク&シュガー

あらすじを読んだ時、「天然ちゃんの恋愛物語かな?」と思っていたので、読み進めるごとにびっくりしました!
ま、まさかこういう展開になるとはー!
表紙が綺麗なイラストなので、良い意味で引っかかりました!

読んでいて悩んだのは、君枝が見ている世界はどの程度真実なのだろう? という点。

君枝からすれば全部が真実だし、不思議体験は第三者にも影響を及ぼします。
だからこそ陸は君枝の理解者になってくれた。
でも、それは本当に全部が全部、真実だったのでしょうか?
邪推というか、誤読したくなってしまいます。

可愛らしいイラストの表紙ですが、社会に出て結婚して、理想と違うなって悩んでいる人にも読んでほしい一冊です。
気になる方は是非!

なぜシロクマ書庫は解散したのか?『シロクマの背に乗る

コメント

タイトルとURLをコピーしました