【読書記録】『つきのふね』

読書記録

随分と昔に一度読んでいたのですが、再度読み直したくなって読みました!
ということで今回紹介するのは、森絵都さんの『つきのふね』です。

青春小説だけれども、爽やか系じゃないです!
ちょっとドキッとする物語!

主人公は親友とギクシャク中。その原因は、万引きだった。
二人の仲を元通りにしたい男友達。
そんな彼を主人公は鬱陶しく思う。
悩みの尽きない主人公は、一人の男性と仲良くなるけれど、彼は心を病んでいて──。

主人公の男友達に対する反応が、ちょっと笑ってしまう(笑)
リアルでこんな男友達がいたら、確かにそんな反応しちゃうけど(笑)
すっごく頑張ってくれる、いいやつなのに(笑)

友情の大事さがじんわりと伝わってくる、素敵な物語です〜!

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本書は1998年が舞台。
なので、当時の日本国内の空気がたっぷり詰まっています。

「2000年は来ない」とテレビや雑誌で盛んに騒いでいたあの頃。
全体の空気が「頑張っても、もうすぐ終わっちゃうし」という諦めムード。
そんな環境で将来のことを考えろーって言われても、なんだかなぁという感じ。

だからなのか、子供の犯罪で万引き・売春・ドラッグがたくさん話されていた印象があります。
それは今でも変わらないのだけど、当時は「もうおしまいだ」感が強かったような。

そういった絶望に近い空気の中で、主人公たちがどのような友情を育んだのか。
時代性のある作品ですが、面白いです!
気になる方は是非!

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