上田岳弘さんの作品が好きなのです。
なら、読まねば!
ということで今回紹介するのは、上田岳弘さんの『塔と重力』です。
本書は「塔と重力」「重力のない世界」「双塔」の三作品が収録されています。
タイトルを見てわかるように、三作品がそれぞれ関係している、ように見えて、ちょっとずつズレています。
こういう作品集、おしゃれで好きですーーー!!!
「塔と重力」では、阪神・淡路大震災で同級生の女の子と死に別れてしまった主人公が、旧友と会話をすることで少しずつ認知が揺らいでゆき、セフレとの関係が少しずつ変わってきて──。
といった物語です。
合間合間に、旧友が執筆した小説が挟まれていて。
それがいい味出しているのです!
(この良さ、伝われ!)
「重力のない世界」と「双塔」は、「塔と重力」で登場した人物の物語、のように見えて、なんか違う、といった趣の短編。
読みながら頭の中がグルングルンします!
愛を貫いた女性の物語『ピンク&シュガー』
三作品の中で一番好きなのは、やっぱり「塔と重力」!
個というものに対する現状と未来への問いかけ。
まさに神ポジション!
主人公と旧友の神ポジショントークが面白いんです。
これこそ、上田岳弘さんの素敵な持ち味! 好き!
たぶん、未来観にエヴァ風味があるから尚更好きなんだと思う。
悲しいのは、この作品の良さがわかる人とわからない人、がキッパリ分かれてしまう点。
難解なんです(汗)
ちょっと今、冊数を読まなくてはならないので、さささ〜と読んでしまったのが、悲しい。
もっとじっくり読みたいわ。
だから、忙しい生き方をしている人たちには、本作は合わない予感がします。
さらっと流し読みしたら、ちんぷんかんぷんになっちゃいます(汗)
純文学の悲劇だわ。
気になる方は是非〜!

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