【読書記録】『限りなく透明に近いブルー』

読書記録

村上龍さんの小説は過去に数冊読んだことがあるのですが、こちらは避けていたなぁということで読みました!
村上龍さんのデビュー作『限りなく透明に近いブルー』です。

先日テレビでヒッピーの紹介をしていて、隣で見ていた旦那さんに「そういえばこの間『限りなく透明に近いブルー』を読んだんだけど」と言ったら、苦笑いされました。
うん、そういう反応になっちゃう気持ち、わからなくもない。

本書は、ドラッグとセックスでボロボロになっていく若者たちを、主人公である「僕」が淡々と観察している小説。
題材が題材なので、群像の賞を受賞した際にはかなり話題になったとか。
その反響は凄まじく、大ヒットしたそうです。

たぶん、同じ題材で他の作家さんが執筆したら、もっとグロくなっていた気がします。
感情をさらっと嫌な味が残らない形で描いているのは、一つの芸術だなぁ。

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じゃあ好きなのか? というと、私はそれほどでも。
んー、出版した時代の若者像の一部分を切り取って描いた、という点ではすごいのだと思います。
セックスとドラッグをしまくって、ボロボロになっていく姿は、退廃的だなぁと。
でも、汚くて汚くて仕方がないわけではなくて。
堕ちているなぁ、と、読んでいるこちらも淡々としちゃうというか。

物語前半は特に何も感じなかったのですが、最後の方。
主人公が少し狂ってしまって、限りなく透明に近いブルーを見て、鳥を待つシーン。
あの流れは「ああ、こうやって繋げたのかぁ」と思いました。その部分は好き。

合う合わないがパッキリ分かれる作品です。
一度、文庫本で再販していたように記憶していたのですが、今は流通していない……?
純文学の悲しい定めだわ(涙)

退廃的な文学が好きな人には、ビビッとくる何かがあると思います。
気になる方は是非!

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