【読書記録】『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』

読書記録

先日、久々に読み直したのですが、やっぱりすごい!!!
ということで、今回紹介するのは桜庭一樹さんの『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』です。

物語の始まりは、一人の少女のバラバラ遺体。
兄と一緒に山を登る主人公の少女の独白。
主人公は死体となった少女と知り合いで──。

二人の少女の出会いから、別れまでの物語。
合間合間に挟まれる狂気にヒヤッとしつつも、真実を知ると言葉の裏側に心臓が痛む、すんごい作品。

主人公の世界は閉ざされていて、少女の世界は歪んでいた。
だから、作品全体の空気がどこか狂っていて。

今は一般文芸の装丁で売られているようですが、元々はイラストでした。
ライトノベルの時に私は読んだので、ちょっと勿体無いなって思っています。
あの可愛らしいイラストが良い味出してたのになぁ。

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とにかく、作品の空気感がいい!
主人公と少女の置かれた環境、漂う閉塞感、中学生という非力な存在、勘違い、思い込み、理不尽、恐怖、狂気、混乱。
そして発露する殺人。

今回読み直して、構成も素晴らしいなぁって、改めて思いました。
私が執筆する小説に、さりげなく影響を与えている作品かも。
情報提示のバランスとタイミングが見事で、感動です!

こういった、特定の年齢でしか体験できない感覚・感情をぐちゃぐちゃに描いた作品、そのうち書きたいです。
というか、それ用にぼんやりと構成ねってるネタがあるぅ……。
どこかのライトノベルに出そっかしら。どうせ選考委員は選ばないだろうけど。

気になる方は是非!!! おすすめです!!!

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