令和5年6月13日のツイートと、思うこと。
Twitterで「小説投稿サイトに掲載していた作品を、運営側に削除された」という内容のものを見かけたのです。
そのタイトルがまさに俗でして。
R設定していたのにどうして、ということでしたが、私が運営者でも同じ対応をしたと思います。
そのタイトルを見たら、内容がどうであれ、投稿サイトのランキング上位に置けません。
品がなさすぎる。
なぜそのように考えるのか。
まず考えていただきたいのは、どうしてR設定があるのか、です。
それは「R設定をすることで、そういった内容を見たくない人が避けられるように」という配慮。
また、「うっかり未成年が危うい表現を見てしまう危険を避ける」ためでしょう。
では、なぜ成人向け専用の投稿サイトがあるのか。
それは「エロ作品を読みたい人向けの場所を用意するため」でしょう、
「未成年に見られる危険がない場所で、エロ作品を掲載できる」利点があります。
なので、R設定しているのだからエロい単語をそのまま掲載しても良いとはならないのではないでしょうか。
R設定は、あくまで「うっかりを防止」するためのものです。
エロい表現を思いっきりしたいのなら、それ専用のサイトですべきです。
エロ専用の投稿サイトでは、そもそもが「エロを読みたい」という読者です。
彼らに対し、未成年への配慮は必要ないでしょう。
どちらかといえば、どの程度のキワキワ表現があるかどうかが重要。
対して、エロ専用ではない、一般の投稿サイトではどうか。
そこでは「エロを読みたい」と考える読者は基本、見にきません。
「小説を読みたい」と思った読者がきます。
それは恋愛かもしれないし、異世界かもしれないし、転生かもしれないし、青春かもしれない。
もっと尖った作品を探しているかもしれません。
そういった、「エロを求めている読者」ではない、不特定多数の読者が利用するサイトで、直球表現をしているタイトルの作品がランキング上位に来た場合、どのような影響があるのか。
利用者から小説投稿サイトに対し、評価が下がります。
「このサイトは健全だと思っていたのに、平然とエロい内容をランキング上位に載せる、いかがわしい場所」
そういったマイナスイメージをもたれます。
一度低評価を抱き離れた顧客を再度呼び戻すのは、とても難しいです。
サービス業なら尚更。
投稿する際、規約に違反していないかどうかを確認するのは、もちろん大事です。
ルールに則って創作を楽しむのは、小説投稿サイトの運営者と創作者の間でwin-win関係を築くために、無視してはならないでしょう。
しかし、サイトの運営はタダではありません。
金銭的リスクを負っているのは小説投稿サイトの運営者です。
サイトの価値を下げる可能性がある作品を、運営者が削除するのは当然の権利だと思います。
もちろん「どうして作品を削除したのか」理由を尋ねる権利は投稿者にあります。
ですが今回見かけた内容は、質問する以前に「利用者として運営者への被害・イメージダウンを想像したのか?」という疑問があります。
投稿者の方に配慮が欠けていたように思います。
低俗なものの方がウケがいいのかもしれませんが、創作者ならもっと捻った表現をしてほしいです。
暗喩ができていない作品は、エロ専用のサイトに掲載すべきでしょう。
あからさまな表現を小学生が見る、という可能性を考慮できていない事実に、がっかりです。
「R制限さえすれば、どんなに際どいタイトルを持ってきてもセーフ」と思っていたのでしょうか?
内容に対してはそれで大丈夫かもしれませんが、タイトルは年齢関係なく見えてしまいます。
サイト運営者に同情します。
天宮さくらという人間を知りたい方は是非『シロクマの背に乗る』
短絡的で独りよがりな行動は、今後AIで駆逐されると予想しています。
そのためのAIであるようにも思っています。
AIの活用は、人口減少が激しい日本において、喫緊の課題です。
安直な表現しかできない作品は、今後AIがどんどん創作してくれます。
そこに表現力の弱い創作者は必要ないでしょう。
必要なのは、AIに上手に指示できる能力を持つ人になります。
そうなった時、何が「創作者」たらしめるか。
今後のことを考えていたら、あんな俗なタイトルをつけるわけがない。
……と思うのですが、まあ、考えない人は考えないんだろうなぁ。
とにかく興味をひいてもらえればOK、なのでしょう。
今のランキングシステムと出版の可否を考えれば、それが正解なのかもしれません。
今回の件は、心底がっかりしています。
恥も何もないのだなぁと感じました。
Web小説が一般の読者に受け入れられていない理由も納得です。
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