ちょっといろいろ調べ物中です。時間がないなぁ、急がねば。
そんな中見つけたのが今回紹介する本、桑原丈和さんの『小説を読むためのそして小説を書くための小説集』です。
(本来、著者の桑の字は「桑」ではないのですが、表示できないので桑にしています)
今回手に取ったポイントは「小説を読むための」の部分です。
小説の読み方について解説している書籍を探していまして。
これが探し物の本題ではないのですが、何かしら情報があればいいなぁと思ったんです。
えっと、結論。そういう本ではなかったです(汗)
本書は、名作を手掛かりに「自分ならどのような創作をするのか」という、創作のヒントを教えてくれる内容でした。
よくよく見れば「読み方・書き方実習講義」って書いてあります(汗)
本書で取り上げられている作品は、下記の五作品。
・江戸川乱歩『二銭銅貨』
・エドガー・アラン・ポー『黄金虫』
・オイレンベルク 森鷗外訳『女の決闘』
・太宰治『女の決闘』
・太宰治『葉』
愛を貫いた女性の物語『ピンク&シュガー』
小説創作論を読むつもりがなかったので、本書の内容にはびっくりでした(涙)
でも、創作論を真面目に勉強したことはなかったので、面白かったです。
江戸川乱歩『二銭銅貨』とエドガー・アラン・ポー『黄金虫』の構成の違い。
オイレンベルク『女の決闘』を読んだ太宰治がどのような『女の決闘』に仕上げたか。
実験的な作品、太宰治『葉』。
作品一つをじっくり分析するのは、もちろん勉強になるなって思います。
ですが本作のように、比較して分析するのも勉強になりました。
「本書を読んだらすぐすぐ小説が執筆できる」、なんて本ではありません。
ある程度、自分で小説を書いたことがある人向けかな、と感じました。
でも、『女の決闘』の隙間を埋める、という形なら、比較的敷居が低いかも。
小説を執筆したいけれど、どうすればいいのかわからない。
オリジナルの創作をやりたいけれど、どうすればいいのかわからない。
そんな悩みを抱えている人には、ちょっとしたヒントになる一冊だと思います。
気になる方は是非!
なぜシロクマ書庫は解散したのか?『シロクマの背に乗る』
コメント