『新世紀エヴァンゲリオン』について思うことはいろいろある、ようで、あんまりなくて。
とにかく旧劇のインパクトはすごかったよな、とぼんやり。
リアルタイムで見るのは怖くて、高校生の時に一気見しました(笑)
もちろんDVD持ってます!(笑)
見終わってから数十年。
大人になって再度エヴァを楽しめるとは思わなかったなぁ(新劇)。
こうして振り返ると感慨深いものがある。
鷺巣詩郎さんの音楽は、重い音。
いや、他作品のサントラが軽いというわけではないのです。
なんというか、ずしっとくる感じがあって。
もちろん、話によっては軽い調子のメロディーもあるのですが、それでもどこか浮き上がり切らない、ベースがしっかりした感覚が強いです。
それがものすごくエヴァっぽいのかもしれない!
上記にリンクを貼ったサウンドトラックは、TVアニメと旧劇のサントラBOX。
もちろん持ってます! 旧劇のサントラがとても好きなので!
TVアニメのラストと旧劇のラスト、どっちが好きか問題。
表現している内容を読み取れるかどうかで、TVアニメのラストと旧劇のラスト、の印象が大きく変わると思っています。
TVアニメと旧劇を見終わった後、私は自分で処理しきれなくて、いろいろ調べました。
TVアニメのラストは、人類補完計画が進んだ後、その事実を受け入れる終わり方。
旧劇のラストは、人類補完計画が進んだけれど、それでも個人で生きていくと決めた終わり方。
希望があるのは、旧劇の方だなぁと思っています。
全員が一となり、個が消え去った世界は本当に「おめでとう」なのだろうか?
ここは個人の価値観で変わってくる部分です。
拒絶され続け、心を病んでしまったシンジくん。
「他人が自分を受け入れることはない」と思いながら「でも受け入れてほしい」と切望する。
TVアニメでは、みんなが受け入れてくれた、と気づいたから、補完された。
欠けた心は無くなった。
旧劇ではそこから進んで、「受け入れてもらったら、ここに僕はいない」という事実に気づいた。
これは付属の実写版(特典映像)がよりリアルにそれを表現していますよね。
(もちろん見てる。あれはあれで好き。カオス)
だからシンジくんは、たとえ傷ついたとしても現実世界で頑張る道を選んだ。
すごく良いなぁって思います。
その後のアスカの首締めは、物議を醸しましたよね。懐かしや。
なぜ、シンジくんはアスカの首を締めたのか。
いろいろな解釈があるとは思うのですが、私は「受け入れてほしいけれど、ずっと拒絶してきた人だから、怖かった」なのかなぁと。
首を絞めて、すぐには死なないんですよ、アスカ。
苦しんでもがいている、という風でもない。
少しずつ圧迫されていく映像なのだなって、私は見ています。
ずっとずっとずっと、唯一、シンジくんを拒絶していたアスカ。
お互いに「わかって!」と言いながら、わかってもらおうとしていなかった。
それを、補完中にシンジくんは怒るんですよね。
「わかるわけないよ!」と。
その後のシンジくんの暴れっぷりをみたアスカの「嫌」という一言が、補完の否定に繋がった。
全部を一つにはなれないけれど、それぞれ別の個としては存在できる。
完全にはわかり合えないけれど、そのことで怖さもあるけれど、でも、自分がいて他人がいる。
それが現実では当たり前で、それを嫌だというのは駄々っ子だったのだと。
最後、アスカはシンジくんの頬を撫でることで、受け入れた。
ほっとしたのだと思います。
ずっと拒絶されていたけれど、アスカはシンジくんを否定するだけじゃない。
でもその後のセリフがいいですよね。「気持ち悪い」ですもの。
元々のセリフは、なんだったかな。別のセリフだったんです。
ここ、改変してもらえて良かったなぁって思っています。
アスカはわかってほしいけれど、わかってもらえるように振る舞える子じゃないんですよ。
それが可視化される瞬間で、いいなぁって思います。
でも、シンジくんが初号機の前で「できないんだ」と膝を抱えるシーンのセリフは変更してほしくなかったなぁ。
あそこは「来るんじゃなかった」が最適だと思う。
現実は、対人関係で傷つくことが多い。
傷つくのが怖くて、だから引きこもりたくなってしまう。
自分の好きなものにだけ囲まれて生きていたいと願ってしまう。
でも、そこには自分しかいない。自分しか存在できないんです。
他人との共存は含まれないんです。
私たちは欠けた魂を持っていて、完全にわかり合えることはない。
だからゼーレは魂の補完を行うことで、傷つきを無くそうとした。
傷つくけれど多くの人が存在する世界。
傷つかないけれど自分しかいない世界。
どちらを選ぶのか選択を迫られたのが、シンジくん。
うん。こうやって振り返ってみても、好きな作品だなぁ。
多くの人の人生を狂わせた作品でもあるけれど、やっぱり、私は好きです。
また今度TVアニメと旧劇を見直そう。
気になる人は是非!
コメント