前々から気になっていて、今回やっと読めた一冊。
九藤朋さんの『私の妻と、沖田君』です。
表紙の沖田君の美しさよ……ほんと素敵。
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本作はノベルアップ+の歴史・時代小説大賞受賞作です。
なのでガッツリ歴史物かな? と思いきや、現代が舞台。
そしてなんと幽霊の沖田総司が出てきます!
じゃあ歴史・時代小説でないのでは? と疑問に思われるかもですが、そんなことありません!
ちゃんと歴史・時代小説でもあります!
そして美味しそうなご飯がっ! お菓子がっ! お酒が進みそう!
読んでいて不思議と美味しい何かを口にしたくなります(笑)
愛を貫いた女性の物語『ピンク&シュガー』
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タイトルにあるように、どうしても沖田君が気になってしまいます。
どうして幽霊の沖田総司が家にやってきたのだろう?
穏やかな日々を過ごしていると、新撰組にゆかりのあるあの人やこの人が……。
合間に描かれる記憶は、それまでの流れと少し違って、ハッとさせられます。
九藤朋さんの柔らかく静かな文体に心がスッと落ち着くのと同時に、どこか切なさも感じます。
そして少しずつ明かされる背景──各人の悲しさが染みてくるようで、悲しくなります。
時代に翻弄された新撰組。そんな彼らが抱いた願い。
儚い感情を掬い上げながら描かれる不思議な日常の物語。
だからこそ、最後、思わず笑顔になりました。
気になる方は是非!
なんか電子書籍だと少しバージョンが違う? らしいのですが、私は書籍にしました!
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