どうして勉強をしなくてはならないのでしょうか?
どうして教養を身につける必要があるのでしょうか?
子供の頃、勉強が好きではなかったです。
机に向かって問題を解くくらいなら、ゲームしたり漫画を読んだり小説を楽しみたかった。
でも、それだと人生の選択肢が狭くなってしまうのはなんとなく理解していて。
大人になった今、もっと勉強しておけばよかったと後悔することが多々あります。
私たちは勉強の大切さを知っていますが、その本質とは何なのでしょうか?
「学ぶこと」について悩んだ時に出会ったのが、桑子敏雄さんの『何のための「教養」か』です。
本書の冒頭にはとても素敵な言葉が書かれています。
〝教養は幸運なときには飾りであるが、不運のなかにあっては命綱となる〟
この一文に出会えただけで大満足しました!
ここまで「教養」の素晴らしさと特徴を的確に表した文章はないように思います。
本書を執筆されている桑子敏雄さんは哲学者です。
長年、哲学に向き合ってこられた方で、環境問題が哲学の道を進むきっかけになりました。
本書は「教養」とはどういったものなのかを教えてくれると同時に、どうして学者であっても誤った判断を下すのか、意見の合意を得られず場が混乱してしまうのか、といった視点も紹介しています。
愛を貫いた女性の物語『ピンク&シュガー』
私が本書で一番興味深かったのは、「ソフィア」と「フロネーシス」です。
これはアリストテレスが区分した二つの知的能力のこと。
「ソフィア」科学的探究・学問的論証能力
「フロネーシス」行動選択の思慮深さ
この考え方はとても面白いなと思ったので、どこかのタイミングでアリストテレスをきちんと勉強しようと思います!
これで小説を一個書きたい。
本書は新書なので全体的にエッセンスが散りばめられている本のように思いました。
きっと著者の伝えたい気持ちの全部が書かれているわけではないです。
それでも、思慮深さや教養について考えるきっかけの一冊になると思います。
気になる方は是非!
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