【書評】「断絶」された文学形態

書評・勉強になる本紹介

『ライトノベル』とは何か?

引き続きこの問いに挑戦しています(汗)
なかなかに答えが見つからず悪戦苦闘していますが、何かと調べ続けていれば光明が見えるというもの。

今回紹介するのは波戸岡景太さんの『ラノベのなかの現代日本 ポップ/ぼっち/ノスタルジア』です。

本書は『ライトノベル』の変遷を社会情勢からアプローチしている本になります。
扱われている時代は1980年代辺りから2010年辺りまで。
「ポップ」「ぼっち」「ノスタルジア」をキーワードに『ライトノベル』が抱えている問題を見ていきます。

読んでいて思ったのは、少し主観に寄りすぎている、です。
著者が例に取り上げている主な作家さんが、村上龍さん、村上隆さん、村上春樹さん。
村上揃いで面白いな、とは思いますが、根拠が弱いように思います。
もう少し幅広く例を提示して欲しかったです。

でも、あの時代の空気感をぼんやりと思い出すことができました。

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正直、本書はあまり「『ライトノベル』とは何か?」という問いには答えてくれませんでした。
本書は『ライトノベル』という作品群はどのような時代背景の影響を受けているのか、を著者・波戸岡景太さんの視点から説明したものであり、私が抱く問いに答える本ではないからです。

ですが、ヒントは得られました。

「断絶」
現在の『ライトノベル』がどうして頭打ち、そして社会的影響力が落ちていっているのか。
それは限られた範囲でしか普及できない原因があるからです。
この視点を得られたのは助かりました。

気になる方は是非!

天宮さくらという人間を知りたい方は『シロクマの背に乗る』を是非!

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