【書評】私はライトノベルを知っているのか?

書評・勉強になる本紹介

今、『ライトノベル』とは何か、を勉強しています。
(名興文庫の代表概念に問われて答えられなかったのが悔しくて(汗))
 質問に答えられなかったコラム 【Q&A】名興文庫の代表概念に質問【part1】

『ライトノベル』とは何でしょう?

この問いを解決するためにもまずは読書!
ということで手に取ったのは大橋崇行さんの『ライトノベルから見た少女/少年小説史 現代日本の物語文化を見直すために』です。

『ライトノベル』と聞いてまず最初に思い浮かぶのは、可愛らしいイラスト。
話の内容は中高生向け。
文章は堅苦しくなく、わかりやすい。
時には擬音語・擬態語を使用する……あたりでしょうか?

多くの方が上記のような認識をお持ちかと思います。
ですが、それでもこの枠から漏れてしまう作品がある、気がします(汗)

『ライトノベル』とは何でしょう?

今回紹介する『ライトノベルから見た少女/少年小説史 現代日本の物語文化を見直すために』では、子供向けに書かれたエンターテイメント作品を戦前あたりまで遡って検証しています。

現在、私たちが漠然と『ライトノベル』と認識している作品。
それは本当に『ライトノベル』なのでしょうか?

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本書を読んで感じたのは「『ライトノベル』という単語で一括りするのは無理がある」です。

おそらく、数年間はそれで括れたのだと思います。
「あのレーベル作品は『ライトノベル』」
「あの人の作品は『ライトノベル』」
私が先にあげた、漠然とした『ライトノベル』のイメージ。
それで説明が事足りた。

けれど今、さまざまな出版形態があり、多くのジャンルが存在しています。

「表紙が可愛いイラストだから『ライトノベル』」というだけで判断するのは無茶がすぎる。
もしこれでOKだとしたら、角川文庫の漫画家さんが表紙のイラストを描いた作品たち(太宰治の『人間失格』や与謝野晶子の『みだれ髪』など)は『ライトノベル』に分類されてしまう。

「あのレーベルから出版された作品だから『ライトノベル』」とすれば、後に装丁を変更し他のレーベルから出版された場合、どのように考えれば良いのでしょう?
レーベルが変わったから『ライトノベル』でなくなる、という事でしょうか?

それに、『ライト文芸』という新しい括りも出てきました。
これは『ライトノベル』なのでしょうか? それとも違うのでしょうか?

考えれば考えるほど、悩みの尽きない問題です。
けれど、『ライトノベルから見た少女/少年小説史 現代日本の物語文化を見直すために』は考えるきっかけを提示してくれる貴重な一冊だと思います。
気になる方は是非一度手に取ってみてくださいな。

天宮さくらという人間を知りたい方は『シロクマの背に乗る』を是非!

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