いつか書かなければと思っていた

小説創作裏話

 おはようございます。桜が咲きつつある今日この頃、いかがお過ごしですか?

 今日はカクヨムお題最後の短編小説『それでも私は生きている』を公開しました。

『それでも私は生きている』はこちらhttps://kakuyomu.jp/works/16816927861307513901/episodes/16816927861991634902

 * * *

 東日本大震災のことは、いつか小説として残さなくてはならないな、と思っていました。

 私は被災者ではありません。ありがたいことに、親族を震災で亡くした訳でもありません。ボランティアに参加もしていないし、現場を見にいったこともない。募金活動があれば入金したし、東北物産展があれば物を購入したけれど、積極的に関わっては来ませんでした。

 それを、ずっと申し訳なく感じています。

 私の旦那さんは、震災の一年後、被災地を訪ね歩いています。その時見た光景の酷さは言葉にしにくいものらしく、説明がうまくできないです。

 見ないふりをし続けて、なかったことにするのは簡単です。ですが、それは嫌だなぁと思うのも本心。大事な人を失った心の痛みを、想像するだけで涙が出てきます。

 だからせめて小説という形で残したかった。

 * * *

 タイトルには悩みました。『それでも私は生きている』としていますが、「それでも私は生きる」でもいいと思ったし、「それでも私は生きていく」でもいいと思いました。

 でも、積極的な感情で生きているのかと問われると、疑問でした。

 もし私が同じ立場だったなら、私は自分で生きたいから生きていく、という選択を取らなかったと思います。

 周りが「とにかく生きろ」「頑張れ」というから生きている。そういう生き方になっていたと思うのです。

 だからタイトルは『それでも私は生きている』。生きているから、前向きな選択をすると決めた。その想いを込めています。

 * * *

 3月28日に提出された『KAC2022 ~カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2022~』第11段のお題は「日記」です。

 最後を締めくくるお題が「日記」。なら、過去を大事にした話にしようと思いました。

 今回は戦略などまるでありません。ただ、私が東日本大震災に抱く思いと、お題。それをつなげることだけに注力しました。

 そのためか、後半は涙がこぼれつつの執筆になり、感情が溢れすぎています。少し読みにくい文章かと思います。その点、申し訳ないです。

 震災から十一年。人によっては遠い出来事でしょう。でも、私はまだ遠くには思えない。

 *

 いろいろと変化の多い十一年でした。私個人の人生でもそうですし、世界情勢だってまるで変わっています。何よりコロナの存在が大きい。苦労の絶えない世の中です。

 それでも生きている。

 つらくても前向きに人生と向き合ってほしい。この小説にはその思いを込めています。

 * * *

 それと、宣伝。

 4月1日にシロクマ書庫から電子書籍を出版します。タイトルは『水の中に沈む』。

 深い愛に囚われた女性の物語を二篇収録しています。

 ご興味のある方は是非、お手に取っていただけたら幸いです。

 ではまた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました