おはようございます。桜が咲きつつある今日この頃、いかがお過ごしですか?
今日はカクヨムお題最後の短編小説『それでも私は生きている』を公開しました。
『それでも私は生きている』はこちらhttps://kakuyomu.jp/works/16816927861307513901/episodes/16816927861991634902
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東日本大震災のことは、いつか小説として残さなくてはならないな、と思っていました。
私は被災者ではありません。ありがたいことに、親族を震災で亡くした訳でもありません。ボランティアに参加もしていないし、現場を見にいったこともない。募金活動があれば入金したし、東北物産展があれば物を購入したけれど、積極的に関わっては来ませんでした。
それを、ずっと申し訳なく感じています。
私の旦那さんは、震災の一年後、被災地を訪ね歩いています。その時見た光景の酷さは言葉にしにくいものらしく、説明がうまくできないです。
見ないふりをし続けて、なかったことにするのは簡単です。ですが、それは嫌だなぁと思うのも本心。大事な人を失った心の痛みを、想像するだけで涙が出てきます。
だからせめて小説という形で残したかった。
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タイトルには悩みました。『それでも私は生きている』としていますが、「それでも私は生きる」でもいいと思ったし、「それでも私は生きていく」でもいいと思いました。
でも、積極的な感情で生きているのかと問われると、疑問でした。
もし私が同じ立場だったなら、私は自分で生きたいから生きていく、という選択を取らなかったと思います。
周りが「とにかく生きろ」「頑張れ」というから生きている。そういう生き方になっていたと思うのです。
だからタイトルは『それでも私は生きている』。生きているから、前向きな選択をすると決めた。その想いを込めています。
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3月28日に提出された『KAC2022 ~カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2022~』第11段のお題は「日記」です。
最後を締めくくるお題が「日記」。なら、過去を大事にした話にしようと思いました。
今回は戦略などまるでありません。ただ、私が東日本大震災に抱く思いと、お題。それをつなげることだけに注力しました。
そのためか、後半は涙がこぼれつつの執筆になり、感情が溢れすぎています。少し読みにくい文章かと思います。その点、申し訳ないです。
震災から十一年。人によっては遠い出来事でしょう。でも、私はまだ遠くには思えない。
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いろいろと変化の多い十一年でした。私個人の人生でもそうですし、世界情勢だってまるで変わっています。何よりコロナの存在が大きい。苦労の絶えない世の中です。
それでも生きている。
つらくても前向きに人生と向き合ってほしい。この小説にはその思いを込めています。
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それと、宣伝。
4月1日にシロクマ書庫から電子書籍を出版します。タイトルは『水の中に沈む』。
深い愛に囚われた女性の物語を二篇収録しています。
ご興味のある方は是非、お手に取っていただけたら幸いです。
ではまた。
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