みなさん、おはようございます! 関東では雪がものすごいようですね! 大丈夫ですか?
さて、カクヨムで連載中『トキ傳 壮途の儀』「22 資金」を公開しました!
最新話はこちらhttps://kakuyomu.jp/works/16816700427557240235/episodes/16816700429527554803
『トキ傳 壮途の儀』はこちらhttps://kakuyomu.jp/works/16816700427557240235
今回は怒涛の伏線回収回でした! ということでおさらいしていきましょう。
今回のキモとなるのは、やはり各大氏の家での出来事ですね。ここでの発見が、資金の流用に繋がっています。
「7 柚比家」はこちらhttps://kakuyomu.jp/works/16816700427557240235/episodes/16816700428487094756
「8 雀居家」はこちらhttps://kakuyomu.jp/works/16816700427557240235/episodes/16816700428487107239
「9 須玖家」はこちらhttps://kakuyomu.jp/works/16816700427557240235/episodes/16816700428487478186
「12 嘉穂家」はこちらhttps://kakuyomu.jp/works/16816700427557240235/episodes/16816700428487514883
「13 宇木家」はこちらhttps://kakuyomu.jp/works/16816700427557240235/episodes/16816700428487519703
そもそも、章のタイトルからして伏線でした。大氏たちとの会話にはすべて、「家」をつけています。ですが大名にはそれがない。この時点で「注目注目〜! 家だよ! 大氏本人ではなく家そのものに要注意〜!」だったわけです。ここ、気づく方いらっしゃいました?
そして、杏化天元の母・沙伊と宣呼の母・紀茅。この二人が宮中を出てしまったことが、この資金流用の発端です。
杏化天元は二十二歳。宣呼はその三つ下で十九歳(あれ? 未成年飲酒じゃん)。沙伊は杏化天元が五歳になって手元を離れた段階で実家に帰り、紀茅もまた早々に宣呼を引き連れて宮中外に出ました。
それがほぼ同じ頃だったのです。同時期に柚比家と嘉穂家の負担が増えた。だって相手は桂宗天元の嫁と妾。宮中を出たからほっといていいよね! とはならないのです。そりゃもういい生活をさせなくてはならない。無碍に扱えば天元の怒りを買うかもしれませんからね。
だから、両家は急場を凌ぐだけの資金はあったけれど、継続的にお金が欲しかった。そこで流用させてもらったのが、刻殿の資金だったのです。
前の記事で、書殿の成り立ちは刻殿の後、と説明しています。識字率の問題ですね。手続きの関係で昔の慣習が残っていた。それをうまいこと流用したのです。
識字率の話をしている記事はこちら 怒涛の伏線回収開始
そしてそれに気づいたのが、抜かりのない宇木なのです。
抜かりのない宇木と紹介した「2 廟議」はこちらhttps://kakuyomu.jp/works/16816700427557240235/episodes/16816700428600394893
そして、やるのなら大氏全員でやろうと持ちかけたのです。須玖は国防の観点から不安があり、雀居は天元家の遠い親戚である紅流葉を守りたかった。各人の要望が一致してしまった。
そうなると、その金はどこから流れてきた? と怪しむものも増えていくわけでして。雪だるま式に資金の流用が増えていき、当麻がどんどん悲しむ結果となったのです。困ったもんです。
それをもう止めようと思ったら、そりゃトキの巣立ちがベストタイミングだった。刻殿に流れるはずの資金がもとからないのであれば、これ以上の不正はできませんもの。だから大氏たちは「さっさとトキには出て行ってもらおう」と考えたのです。資金が無駄だと言って。その資金を悪用していたのは自分達のくせに、ね。
そして、他人のものを盗むことを許せない、というのは、初代天元も抱いていた思いなのは、「0 国の始まり」でも描いています。
「0 国の始まり」はこちらhttps://kakuyomu.jp/works/16816700427557240235/episodes/16816700427557504545
自分が苦しいから他人を苦しめて奪う、というのが許せなくて、初代天元は夢を抱き旅に出ました。その悲しみを思い出させるような行為をした大氏たちを杏化天元が怒るのも無理はありません。
『トキ傳 壮途の儀』の裏テーマは「他人のものを奪うのは許せない」というお話だったのですよ。そこに正当な理由があったとしても、ね。
ここまで長々と読んでくださり、ありがとうございます! 残すお話も後少し。楽しんでいただけたら幸いです!
ではまた!
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